こんにちは。作業療法士の梅原です。
今回は「手の母指(親指)の重要性」についてお話しさせていただきます。
普段なにげなく使っている親指ですが、これのおかげで人間は進化したと言っても過言ではないくらい素晴らしい部位なのです。
人間が四足歩行から二足歩行へ進化して以降、手は自由を得てさまざまな機能を持つようになりました。たとえば、物を把握する・道具を操作する・物を探る・意味を伝えるなどです。
そのような手の動きで主役といえるのが母指(親指)です。
特に手の機能として基本である「把握動作(物を持つ)」についてお話ししますが、
把握動作を分解していくと基盤といえるのが、「対立運動」です。
対立運動とは、親指とその他の指の先を近づける運動のことですが、当然その中心的役割を果たすのは親指です。
親指単独で活躍することはまれですが、親指はほかの指をリードしながら手として機能を果たしているのです。
また、把握動作を分類すると、
握力把握系、精密把握系、中間把握系、母指不関与系と分けられるのですが、
これらの中で親指が関わらない(対立運動を含まない)のは、その名の通り母指不関与系だけです。
この「母指不関与系」の把握が適用される物は何かというと、「たばこ」くらいしかないと思われます。たばこを吸わない人にとっては生活上ほとんどないと言えます。
手のはたらきにおける親指の重要性、お分かりいただけましたでしょうか。
親指の骨折や母指CM関節症などで親指が使いにくい状況にある方は、その存在の大きさによく気づかされていることかと思います。
なかなか手のこと、特に親指のことを気にする時間はないかもしれませんが、皆様もマッサージやストレッチ、温める、などをしてぜひ気にかけてみてください。









