クリニックブログ

2020.09.17更新

皆様、、こんにちは院長の髙見澤です。

先日、小金井保健センターに於いて、骨粗しょう症について講演をさせて頂きました。

日々の診療で、骨密度を以前計測した事がありますか、と伺うと、”数年前に測って年相応であったわ”、とか”問題なかったわ”とおっしゃる方がいらっしゃいます。もちろん問題なければよいのですが、特に女性の方は、女性ホルモンの影響もあり年々低下していく傾向にあります。腰椎や大腿骨近位部の年代別骨粗しょう症有病率は、60歳以降、女性が優位に上昇していきます。また、大腿骨近位部骨折の発生率も70歳以降は女性が上回ります。

骨強度は、その70%を骨密度、30%は骨質の要因から成りたっているため、骨密度の低下は骨強度の低下につながるのです。骨は破骨細胞によって吸収され、これが骨芽細胞の骨形成によって補充される骨代謝(リモデリング)され骨強度を維持しています。加齢や、閉経に伴い骨吸収が骨形成を上回り骨密度が低下していきます。(加齢によるカルシウム吸収能低下、閉経によるエストロゲン欠乏にて破骨細胞活性化)ビタミンD,K不足、石灰化度の低下、加齢や生活習慣病などにより酸化ストレスや糖化が進むと、骨基質のコラーゲン分子間に老化型の架橋が増加し骨質劣化し骨強度が低下していきます。

骨芽細胞が骨基質中に埋もれ骨細胞となり、骨芽細胞、破骨細胞にスクレロスチンを分泌すると破骨細胞が骨吸収を亢進させ、骨芽細胞は、骨形成を抑制する方向に働きます。骨芽細胞、骨細胞から、RANKLEといわれる破骨細胞分化因子が分泌されると破骨細胞が分化し骨吸収を亢進させます。このように3者の細胞は密にリモデリングに関与しています。リモデリングは約3か月の一連の周期を構成し、全骨格の3~6%が常に行われています。

骨粗しょう症治療の最大目的は、骨折予防です。食事療法、運動療法、薬物治療が3本柱です。原発性骨粗しょう症の薬物開始基準ですが、骨密度に限らず既存の脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折のある方は治療開始となります。その他、脆弱性骨折既往(橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折)のある方は、骨密度若年比較(YAM)80%以下で治療開始です。また、骨密度がYAM値70~80%の方は、その方の両親に大腿骨近位部骨折の家族歴がある方、あるいはFRAX(11~12項目の内容入力で計算)15%以上ある場合は治療開始。骨密度YAM値70%以下では治療開始となります。

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現在、骨粗しょう症に対し、整形外科で用いられる薬には、カルシウム、活性型ビタミンD,ビタミンK補充、内服薬として、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):骨に対してはエストロゲン様作用し、骨吸収を抑制する。ビスフォスフォネート製剤:内服あるいは静脈注射(1か月に1回のものか、1年に1回)にて、破骨細胞をアポトーシスし骨吸収抑制作用があります。骨形成にはたらく副甲状腺ホルモンのテリパラチド(皮下注射、毎日行い24か月、あるいは、1週間に1回行い104回か、1週間に2回する208回のもの)。RANKLEを抑え、骨吸収をおさえる抗RANKLE抗体のデノスマブ(皮下注射、6か月に1回)、近年、スクレロスチンを抑え、破骨細胞の骨吸収抑制、骨芽細胞の骨形成亢進と双方に働く抗スクレロスチン抗体のロモソズマブ(皮下注射、1か月に1回で12回行う)等多種あります。骨密度を定期的に計測し、内服をしていてもあまり効果のない場合は、採血で体の骨吸収、骨形成を反映する骨代謝マーカーを計測したりして薬の変更、投与方法の変更を行ったり、逐次療法(他薬にswitchし効果を高める)をしながら、早期に骨密度70%以上を目標にしていきましょう。

もちろん、運動療法、Walkingなどの有酸素運動、爪先立ち、かかと落とし体操、筋力トレーニングなども有効です。

食事では、カルシウム(1日650~800mg/日)、そのカルシウムの吸収を助けるビタミンD(1日10~20㎍/日)陽に20~30分あたることで体内でも作られます。骨にカルシウム沈着を助けるビタミンK(1日250㎍以上)、カルシウムの吸収を助け、骨以外の沈着を防ぎ、骨を丈夫にするマグネシウム(男性350mg、女性300mg/日)。大豆製品のイソフラボンは女性ホルモンに類似した作用がありますので1日40~50mg摂取するとよいでしょう。骨や筋肉の材料になるたんぱく質(男性60g、女性50g/日推奨)の摂取も大切です。

骨密度の低下をきたし、骨折を起こさないように定期的に骨密度検査をおすすめします。丈夫な骨で、健やかに毎日の生活をおくっていきましょう。

 お陰様で9月で開院5年目を迎えることができました。誠にありがとうございます。

今年度は、介護保険での通所リハビリ開始、自由診療ではありますが、PRP/APS療法導入、栄養解析なども行っております。

新型コロナウイルスに、心も体も負けずに今後とも、地域医療に貢献し皆様の健康のお役に立てるよう精進して参ります。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 高見澤整形外科クリニック

2020.09.07更新

こんにちは,理学療法士の石垣です.

猛烈な暑さだった8月から9月に入り,過ごしやすい日も増えてきましたね.
しかしまだまだ油断はできません!
引き続き熱中症対策頑張っていきましょう.

暑い日が続くと食欲が落ちる.
けどカレーなら食べられるという方は多いんじゃないでしょうか.
カレーの辛味成分は消化器の粘膜を刺激し、中枢神経の働きを高め、消化液の分泌を促し,
食欲を増進します。
なので食欲が落ちがちな暑い季節にぴったりの食べ物といえます.

また最近では市販のカレールーを使わずにスパイスだけで作るスパイスカレーが話題になっていますね.

市販のルーで作るカレーは固形ルーに含まれる小麦粉や脂質によってカロリーが高くなってしまいます.
それに対し,スパイスのみで作るスパイスカレーはその分のカロリーを抑えられます.

またカレーに含まれるスパイスは漢方薬として使われているものも多く,それぞれ健康への効果が期待できると言われています.

・ターメリック(ウコン):黄色い色付けに使われ,肝機能向上コレステロール値低下脳機能活性化が期待されます.
・クミン:カレー特有の香りづけに使われ,消化促進作用が期待されます.
・コリアンダー:マイルドさと少し苦みを加えます.消化を助け,食欲増進効果があるといわれています.
・ブラックペッパー:辛味.新陳代謝を高め食欲増進疲労回復に効果があるといわれています.
・トウガラシ:カレーの辛さを決めるスパイス.これに含まれる辛味成分「カプサイシン」は、体脂肪を燃焼させてくれます.
                                        等々

この機会にぜひスパイスカレーに挑戦してみてください.
しっかり食べてまだもう少し続く暑さを乗り越えましょう!

 

投稿者: 高見澤整形外科クリニック

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